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さてしかし、微分の公式1と三つの公式(というか定理)をまだ証明していませんでしたね。微分の公式1は対数の微分がわかってからの方が都合がいいので、対数の微分を説明しおわってから証明します。微分の定理3つは今でもできるので今しますね。
証明方法はすべて「微分の定義式」に当てはめることで求めます。微分の定義式とは
でしたけども、これら3つの定理を証明するうえではこの定義式は扱いずらいので少し書き変えて
とします。(式変換がちょっとわからない方は微分入門1ページめの図を見ていただいて、そこの図にあったy+Δyがf(x+Δx)、yがf(x)に等しいのでそれらを置き換えてあげると、Δy=(y+Δy)-y=f(x+Δx)-f(x)になるのがわかります。)
の証明
とすると
であるから
である。 証明終了
の証明
であるから
とすれば
である。(極限が分配できるということは中級編で証明します。) 証明終了
の証明
であるから
である。 証明終了
以上でさきほどの三つの定理が証明されたのである。この次に行う積の微分も商の微分も対数の微分もこの定義を用いて証明することになります。
5.微分のいろいろな公式 積の微分
次に積の微分の公式を紹介します。たとえば次のような式を微分してくれと言われたらどうしますか?
こんな風に式と式の「積」であらわされている場合、微分の公式1を使うとなるとこれを展開しなければなりません。でも、展開しなくても微分する方法があるんです!その方法は4段階で説明できます。
第一段階、まず左の式の部分と右の式の部分にわけます。(右の図をクリックしてください。)
第二段階、左の式を微分したものと右を微分したものを用意します。(やや右上の数式の図をクリックしてください。)
第三段階、左の式を微分したものに右の式を掛け合わせたものと右の式を微分したものに左の式を掛け合わせたものを作ります。(上の数式の図を2回クリックしてください。)
第四段階、できあがった二つの式を足し合わせてください。(上の数式の図をクリックしてください。)※上の図の第一項と第二項の順番が文章で説明した上の式と逆です(^_^;)
それでは、計算例を載せます。
この積の微分の公式を一般的に書くとこうなります。
それでは、この積の微分の公式を次のページで証明しましょう!