効用最大化問題

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いろいろな例題



subject to 150x+100y=450

通常、この問題を解くときには



とラグランジェ関数を設定しますが、これだと、効用関数の指数が分数なので、微分や指数計算が面倒です。そこで、いくらか計算を楽にするため、効用関数をlogをとることで単調変換します。



として、ラグランジェ関数を



と設定します。したがって、最適化条件は







となります。一つ目の式と二つ目の式をそれぞれ移行し、比をとると



約分して、整理すると



したがって、



これを制約式に代入すると



したがって、yは



となる。よって、最適消費量はx=1,y=3である。

次に、ラグランジェ関数を使っては解けない代表的な効用関数を二種類紹介します。

一つ目は



という線形の効用関数です。αとβはパラメータです。このとき、無差別曲線も線形になります。したがって、つまり、限界代替率が一定なのです。言い換えれば、xとyを常に一定比率で交換してよいということになります。これは両替機に似ていますね。両替機は常に1000円札1枚と500円玉2枚を交換してくれます。このとき、1000円札1枚と500円玉は完全に代替できます。したがって、線形の効用関数であらわせる財の組み合わせの財を完全代替財といいます。特に、α=β=1のとき、xとyの財の性質に差があるわけではなく、その総量のみに効用が反応する場合を表しています。たとえば、喉がとても渇いているときに目の前に「本当においしい水」という商品xと「めっちゃおいしい水」という商品yがあったとします。ぶっちゃけどっちでもいいですが、とりあえず、沢山水が飲めればいいわけです。こんなときの効用関数が



とあらわせるわけです。

この問題を解く場合はクーンタッカーの方法が用いられますが、クーンタッカーを用いた解法は上級編あたりで掲載するということにしまして、図からもとめましょう。



subject to

という問題だとします。このときの無差別曲線は右の図のようになります。

いま



とすると、右の図の点が最適点になります。(右の図を2回クリックしてください)また



のとき、右の図の点が最適点になります。(右の図を2回クリックしてください

つまり、端点解になるのです。より安く多くの満足度を得られる商品にすべての所得をつぎ込むのです。したがって、



のとき、



となり、


のとき、



となります。また、



のときは、無差別曲線と予算制約線が一致します。したがって、予算制約線上すべての点で最適点であり、最適消費量は一意に決定されません。

次のページではレオンチェフ型効用関数を紹介し、代替の弾力性とCES関数を紹介します。


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