効用最大化問題

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次に一般的な効用関数を用いて、最適化問題を解いてみましょう。つまり、効用関数を



として、最適化問題を



subject to 

として解きます。Px,Py,Iはそれぞれ、x財の価格、y財の価格、所得を表しています。

ラグランジェ関数を



とします。(このラグランジェ関数の経済学的意味についてはこの章の最後の節で説明します。)したがって、1階の最適化条件は







となります。一つ目の式と二つ目の式をそれぞれ移項し、比をとると



となります。このとき、左辺は前の章で説明した限界代替率(MRS)になっています。つまり、この式は

限界代替率=価格比

を表しています。つまり、MRS=価格比が効用最大化の条件なのです。したがって、効用最大化問題は、





の連立方程式で求めることが可能なのです。効用関数が一般的な場合、ここまでしか具体的に計算することはできません。この二つの式をx=やy=の形で具体的に求めることはできません。あえて表すのであれば、

上記の二式より



となる。

という風に表すしかありません。

さて、効用最大化を図で表すとどうなるのでしょうか。

まず、図で表す前に、効用を最大化する点が先ほどの2式、予算制約式とMRS=価格比を満たすというのを図で表すと何を意味するのかを考えましょう。効用を最大化する点が予算制約式を満たすということは簡単で、効用を最大化する点が予算制約線上にあるということです。では、MRS=価格比というのを考えましょう。MRSとは無差別曲線の接線の傾きを表していました。価格比とは予算制約式の傾きを表していました。つまり、無差別曲線の接線の傾きと予算制約式の傾きが一致しているというのがこの式の意味です。つまり、予算制約式とMRS=価格比を満たすというのは、効用を最大化する点は、予算制約線上で無差別曲線の接線の傾きと予算制約式の接線の傾きが等しい点であるということです。これを更に言い換えると予算制約線と無差別曲線が接している点が効用を最大化する点であるということです。

この話を次のページで具体的に図を用いて調べてみましょう。


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