効用関数と予算制約

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3.効用関数(2財の場合)

さて、2財の場合になると、二つの財の数量が効用に影響を与えるということになります。さきほどはピザから得られる満足度を考えようということでした。ではピザだけでなく、ピザとコーラを得られたときの満足度を考えてみましょう、というのがこの節の目的です。ここでは多変数関数と偏微分を使います。(わからない方はぴーすけ講座経済数学の多変数関数と偏微分)へ。)xをピザの数量、yをコーラの数量としてみて考えましょう。

まず、二つの財の数量が効用に影響を与えるということを一般式で表すと



ということです。。具体的に式を与えるのであれば



などがあります。(これらの式を正確なグラフが知りたい場合はWolframAlphaに行って、u=x^(1/2)*y^(1/2) や u=ln(x*y)という風に入力するとグラフがでてきますよ。)図で表すと右の図のようになります。たとえば2番目の効用関数だった場合、



だとすると、



となります。ピザ27枚とコーラ8杯から得られる効用が6ということです。ピザ何枚食べるんですかね(笑)これを図であらわすと右の図のようになります。(右の図をクリックすると図が変わります。図は全部で4枚です。

また、2財になっても限界効用が定義できます。しかし、1変数と違って偏微分を使います。x財、ここではピザの限界効用は



y財、つまりコーラの限界効用は



と表せます。ピザを27枚食べ、コーラを8杯飲んでいるときにピザを追加的にもらったときの追加的な満足度(ピザの限界効用)は



という風に使えます。コーラについては省略しますね。

さて、3次元での分析も大変なので、2次元の分析にしたいと思います。それを行うには無差別曲線(indifference curve)という概念を用います。「無差別」、という意味は「満足度が同じ」という意味です。言い換えれば効用が同じという意味です。ピザ1枚とコーラ3杯得ることはピザ2枚とコーラ1杯を得ることと無差別である、と表現されたら、ピザと1枚とコーラ3杯を得ることはピザ2枚とコーラ1杯を得ることと同じ満足度が得られるという意味です。したがって、無差別曲線は同じ効用を得るピザとコーラの組み合わせを書いたものです。それを効用関数から図的に導いてみましょう。

では、ある効用を得るxとyの組み合わせを図的に導きます。右の図のようにある効用があります。その点を通る地面(x-y平面)と平行な平面を書きます。(右の図をクリックしてください。)そうすると、その平面で効用関数がスパッと切れます。その平面で切られた赤い線はすべて高さがと同じということになります。そして、その赤い線を地面(x-y平面)に下ろします。(右の図を2回クリックしてください。)つまり、地面(x-y平面)に描かれた曲線上のxとyの組み合わせはすべて、効用を得られるということになります。それを上から眺めてみましょう。(上の図を2回クリックしてください。)x-y平面上に反比例みたいな原点に凸な曲線が得られましたね。さきほど説明したように、この曲線上では同じ効用を得られます。したがって、この曲線は同じ効用を得られる無差別曲線なのです。(上の図をもう一回クリックしてください)


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