効用関数と予算制約

presented by P-suke

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さて、それでは限界効用は数学的にどのように表現できるのでしょうか、または限界効用が逓増している、逓減しているというのは数学的にはどのようにして判断すればよいのでしょうか。それは微分を用います。(微分がわからない方は微分入門へ)限界効用は



と表現できます。さきほどの数式を例に具体的に導出してみましょう。

1番目の効用関数の場合





つまり、この人は追加的なピザがいつも追加的に1の効用をもたらしてくれます。

2番目のルートの効用関数の場合






つまり、ピザを1枚もらっている時に、追加的なピザをもらうと



1/2の限界効用を得ます。4枚もらっているときに、追加的なピザをもらうと



1/4の限界効用を得ます。数学的にはこのようにして限界効用を表すことができます。(だから、先ほどの1枚増加したときの限界効用というのは、微分という概念からしてみたら、ちょっと粗いものになりますね。)logや指数の時の限界効用は練習問題にしてください。(指数・対数の微分がわからない人は指数・対数の微分へ(現在作成中))経済学でよくつかわれる仮定は限界効用が常に正であるということです。つまり、何かを得たら今より嬉しいと思うということを仮定しています。数式で表すと



です。

では、次に逓減、逓増の話にいきましょう。限界効用が逓減している、逓増していると判断するには二階微分を用います。



の時、限界効用は逓増しており、



の時、限界効用は逓減しています。



のとき、限界効用は一定です。

先ほどの例で確認してみましょう。

1番目の効用関数の場合





つまり、限界効用が一定ですね。

次に2番目の効用関数の場合




xは数量ですから、正の値です。だから2階微分の値は負になりますね。つまり、この効用関数は逓減しています。

最後に3番目の効用関数の場合を考えましょう。



となり、限界効用が逓増していることがわかります。つまり、経済学で扱う通常の効用関数を一般式で書くと



という風に表現できます。

尚、関数によってはここの例で表されたように常に逓増、常に一定、常に逓減というケースだけでなく、ある場所では逓増だが、ある場所では逓減するという関数もあります。しかし、ぴーすけ講座の中級編では、常に一定か、常に逓減する場合しか扱わないので、ここでは省略します。


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