弾力性

presented by P-suke

トップページ > ミクロ経済学目次 > 弾力性 1 2 3 4 5 6


弾力的な場合

それでは右の図を見てください。現在の価格がP*、現在の需要量がD*だとしたとき、価格が上昇したケースを考えます。(右の図をクリックしてください)価格が上昇すると需要量は減少します。(右の図をクリックしてください)もともとの価格と価格の変化分を比べると、もともとの価格に対して価格の変化分が小さいです。これは変化率が小さいことを示しています。(右の図を3回クリックしてください)しかし、もともとの需要量と需要量の変化分を比べるとも需要量の変化分はもともとの需要量の半分くらいありますから、需要量の変化率が大きいことがわかります。(右の図を3回クリックしてください)とすると、価格の変化率が小さいのに需要の変化率が大きいわけですから、これは価格弾力的であることを示しています。(上の図をクリックしてください)価格が下落した時のことを考えてみても、価格の変化(ピンク)と需要の変化(緑)を見てみるとやはり需要の変化率の方が価格の変化率よりも大きい、つまり弾力的であることがわかります。(上の図をクリックしてください

次に総収入と弾力性の関係を図で見てみましょう。総収入は価格×需要量なので図の水色の部分で示されます。(上の図をクリックしてください)価格が上昇したときの新しい総収入は図のオレンジの部分です。(上の図をクリックしてください)総収入の減少分と総収入の増加分を見てみると(上の図をクリックしてください)総収入の減少分の方が増加分よりも大きいことがわかります。(上の図をクリックしてください)つまりこれは、価格弾力的なとき、価格の上昇によって総収入が減少したことを示しています。価格が下落した場合も同様の議論でいけます。価格が下落したとすると新しい総収入は上の図のようなオレンジの四角形になります。(上の図をクリックしてください)先ほどと同じように総収入の減少分と増加分を比べると(上の図をクリックしてください)減少分よりも増加分のほうが大きいといういことがわかります。つまり、価格弾力的なとき、価格が下落すると総収入が増加するのです。

最後に完全弾力的なケース(弾力性=∞)を図で表すと上の図のように水平になります。(上の図をクリックしてください)これは需要者が価格に可能な限り敏感です。どのくらい敏感かというと、価格がほんの少しでも上がった瞬間に需要量が0になります。つまり客が全員逃げます。逆に価格が少しでも下落すると、需要量が無限になります。つまり、どんなに供給しても常に超過需要が生じています。

非弾力的な場合

次に非弾力的な場合を考えましょう。それでは右の図を見てください。まずこのグラフが非弾力的であることを説明します。現在の価格がP*、現在の需要量がD*だとしたとき、価格が上昇したケースを考えます。(右の図をクリックしてください)価格が上昇すると需要量は減少します。(右の図をクリックしてください)もともとの価格と価格の変化分(ピンク色)、もともとの需要量と需要量の変化分(緑)を比べると、(上の図をクリックしてください)価格の変化率に比べて需要量の変化分が小さいことがわかります。(もともとの需要量ともともとの価格が同じ大きさならば、変化分の大小で変化率の大小も決まるため)(上の図をクリックしてください)価格の変化率よりも需要量の変化率が小さいわけですから、これは価格非弾力的であることを示しています。(上の図をクリックしてください)価格が下落した時も同じことが言えますので、図での説明はここではしないことにします。

次に総収入と弾力性の関係を図で見てみましょう。総収入は価格×需要量なので図の水色の部分で示されます。(上の図をクリックしてください)価格が上昇したときの新しい総収入は図のオレンジの部分です。(上の図をクリックしてください)総収入の減少分と総収入の増加分を見てみると(上の図をクリックしてください)総収入の増加分の方が減少分よりも大きいことがわかります。(上の図をクリックしてください)つまり、これは価格の上昇によって総収入が増加したことを示しています。つまり価格非弾力的な時、価格の上昇は総収入を増加させます。価格が下落した場合も同様の議論で価格非弾力的な場合、価格の下落は総収入を減少させることが説明できますのでここでは省略します。ちなみにこれで豊作貧乏の簡単な説明ができます。豊作貧乏とは簡単にいうと供給量が増加(豊作)したために貧乏になるという現象です。食べ物は必需品ですから非弾力的です。豊作、つまり供給曲線の右シフトは需要曲線にそって価格が下落しますから、非弾力的な場合総収入が減少するのです。つまり供給曲線の右シフトが総収入の現象を生みます。これが豊作貧乏の簡単な説明です。(文章でわからない人はグラフを描いてみてね)

最後に完全非弾力的なケース(弾力性=0)を図で表すと上の図のように水平になります。(上の図をクリックしてください)これは需要者が価格に可能な限り鈍感です。どのくらい鈍感かというと、価格がどんなに変化しても需要量が変化しません。つまり、どんな価格でもある一定量しか売れないのです。

単位弾力的な場合

常に単位弾力的なグラフは小学校や中学校で習った反比例のグラフです。ここで図を用いたり、数式を用いて説明はしませんが、直感的な説明をすると、P×D=TRの式を変形して、P=TR/Dを逆需要関数だとすると、TRが一定だと反比例のグラフになりますよね?となると、反比例のグラフでは総収入が常に一定なんです。総収入が一定ということは弾力性が1ですよね。もしも確かめたい人がいたら、後に説明する点弾力性の式を使って確かめてください。では、次のページで直線の式の弾力性を見てみましょう。直線の式には弾力的、単位弾力的、非弾力的の全てがありますから。


目次に戻る    前のページへ    次のページへ