弾力性

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直線の場合

さて、今までの需要関数が直線だった場合の例を考えてましょう。そうですね。例えば逆需要関数が
P=−D+11
と表せる場合を考えます。このとき、価格と需要量、そして総収入の関係は下の表のように表現できます。

価格12345678910
需要量10987654321
総収入10182428303028241810

となると、「価格の上昇によって」、価格が中間よりも低い時には総収入が上昇し、価格が中間の時に総収入は等しく、価格が中間よりも高い時に総収入が下落していることがわかります。つまり逆需要関数の半分よりも下の部分では非弾力的中間点では単位弾力的半分よりも上の部分では弾力的であることがわかります。

これで、傾きと弾力性の違いも少しわかりますね。直線ならば傾きは一定ですが、直線において、弾力性は変化するのです。更に、傾きでは総収入の変化を表し切れていないということもわかりますね。だからこそ、新しい概念、「弾力性」という概念の導入が必要だったのです。

ちょっと進んだ?話

ここでは4つほど、ちょっと進んだ?話をします。ちょっと中級編レベルです。知らなくても残りの入門編に支障はないので興味のない方はスルーしてください。上の数字の5を押すとこの話題をスルーして次の話題にいけます。

1つめ 中間値の方法

通常、価格が上昇する場合と下落する場合で誤差が生じます。例えば価格が100円から120円に上昇したときに需要量が50個から45個に減ってしまった場合、価格の変化は+20%、需要量の変化は−10%、つまり価格弾力性が1/2です。しかし、価格が120円から100円に下落した時に需要量が45個から50個に増加した場合(先ほど逆のケース)、価格の変化は−100/6(約−16.7)%であるのに対して、需要量の変化は100/9(約+11.1)%、つまり弾力性が2/3になってしまいます。このように変化量が同じでも弾力性は「どの価格、需要量から変化したのか」によって変わってしまいます。この誤差を修正する中間値の方法というのもありますが、あまり使わないのでここでは定義だけを書いて、深く言及はしないことにします。

定義 中間値の方法

価格がPからP’に、需要量がDからD’に変化した場合、中間値の方法による価格弾力性は



と定義される。

2つめ 弧弾力性と点弾力性

弾力性には弧弾力性点弾力性があります。今さっき学んだ弾力性は弧弾力性にあたります。点弾力性に関して、詳しくは中級編で述べますが、点弾力性をε(アルファベットのeに対応するギリシャ文字、elasticityの頭文字)として定義だけを述べると、ΔD、ΔPが十分に小さい時、(つまりは微分なんだけど)



と定義されます。つまりは需要関数を価格で微分したもの(需要曲線の接線の傾き)に、価格を需要量で割ったもの(原点と(需要量,価格)の点を結んだ傾き)を掛けたものです。

ちょっとこのページは短いですがここで終わりにして、次のページで3つめと4つめを説明します。なんでかというと3つめが若干長いんですよね(^_^;)


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