トップページ > ミクロ経済学目次 > 需要曲線と供給曲線 1 2 3 4 5 6
次に供給曲線が右にシフトした時のことを考えましょう。右の図のように今の均衡が、均衡価格が80円、均衡取引量が2つで表わされるだったとします。(右の図をクリックしてください)供給曲線がからに右にシフトしたとすると、シフト前の均衡価格80円では超過供給が発生します。そのため価格は下落し、新しい均衡点に向かいます。(もう一度右の図をクリックしてください)そして、新しい均衡点となり、均衡価格は60円に下落し、均衡取引量は3つへ増加するのです。つまり、供給曲線の右シフトは均衡価格を下落させ、均衡取引量を増加させます。また、同様にして、供給曲線の左シフトは超過需要を生み出し、価格が上昇して新しい均衡点に向かいます。その結果、均衡価格は上昇し、均衡取引量は減少するのです。(説明用の図はありません。練習として自分で書いてみてください。)
市場の需要曲線と供給曲線
さきほどまで扱ってきた需要曲線は市場の需要曲線というよりも個人の需要曲線でした。市場の需要曲線とは、価格と市場全体の需要の関係を表すものです。では、市場全体の需要とは何なのでしょうか。それは「すべての個人の需要量を足し合わせたもの」です。たとえば、アイスクリームの市場における需要者が太郎君と次郎君と三郎君の3人だったとします。(本当の市場はもっとたくさんの人がいますし、完全競争市場の定義からも3人だと少なすぎますが、理解しやすくするために、買い手を3人にします。)100円の時に太郎君はアイスクリームを1個、次郎君は2個、三郎君は4個需要したとします。このとき、市場の需要量は7個です。このように足し合わせるのです。
せっかく需要関数を学んだので、ここでの説明に用いてみましょう。
太郎君の需要関数が
次郎君の需要関数が
三郎君の需要関数が
だとします。市場の需要関数はこの3つの関数を足し合わせたものになります。したがって、市場の需要関数は
となります。そうすると、それぞれの価格のもとでのアイスクリームのそれぞれの需要量が以下の表のように表現されます。
価格 | 0円 | 20円 | 40円 | 60円 | 80円 | 100円 | 120円 |
太郎君の需要量 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
次郎君の需要量 | 12 | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 | 0 |
三郎君の需要量 | 24 | 20 | 16 | 12 | 8 | 4 | 0 |
市場の需要量 | 42 | 35 | 28 | 21 | 14 | 7 | 0 |
市場の需要量は価格を市場の需要関数に入れても出てきますし、3人の需要量をそれぞれ足し合わせてもでてきます。これをグラフで表すと右の図のようになります。よく見ると、市場の需要曲線はそれぞれの需要曲線を水平に足し合わせたものであることがわかります。
次に市場の供給曲線に関して説明しましょう。市場の供給曲線も考え方は同じです。今まで扱ってきた供給曲線は市場の供給曲線というよりもひとつの企業の供給曲線でした。市場の供給曲線は「すべての企業の供給曲線を足し合わせたもの」です。これも表であらわすとどうなるか、図であらわすとどうなるかというのは市場の需要曲線の時とほとんど同じなので、理解を深めるためにも自分で挑戦してみてください。これで、需要曲線と供給曲線の章は終りです。お疲れ様でした★