需要曲線と供給曲線

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5.超過需要と超過供給

超過需要

さきほどの均衡の図において、価格が均衡価格よりも低かったとします。このとき、売り手はあまり売りたくないけども買い手は多く買いたいと思います。そうすると、供給量よりも需要量のほうが多くなってしまいます。この状態を超過需要といいます。 アイスクリームの例に当てはめてみましょう。アイスクリームの価格が60円の時、売り手は1つ売ろうとし、買い手は3つ買おうとしています。そうすると、3つ買いたいのに1つしか買えません。つまり2つほど(供給量よりも)超過需要しているのです。そのとき、右の図のように超過需要量は3−1=2となります。 このとき、買い手は60円以上払ってもいいからもっと買いたいと思っています。売り手は60円以上なら売ることができます。となるとアイスクリームの価格は上昇して80円になり、買い手はもう一つ購入し、売り手はもう一つ売ることになります。 つまり、超過需要が生じているときには価格が上昇するのです。(価格上昇の圧力が働く。)したがって、超過需要が生じているとき、価格は上昇して均衡点に向かいます。

超過供給

次に価格が均衡価格よりも高かったとします。このとき、売り手は多く売りたいと思い、買い手はあまり買いたくないと思います。そうすると、需要量よりも供給量のほうが多くなってしまいます。この状態を超過供給といいます。 アイスクリームの例に当てはめてみましょう。アイスクリームの価格が100円の時、売り手は3つ売ろうとし、買い手は1つ買おうとしています。そうすると、3つ売りたいのに1つしか売れません。つまり2つ売れ残る。言い換えれば2つほど(需要量よりも)超過供給しているのです。そのとき、右の図のように超過供給量は3−1=2となります。 このとき、買い手は100円以下もっと買いたいと思っています。売り手は100円以下でもいいから売りたいと思っています。となるとアイスクリームの価格は下落して80円になり、買い手はもう一つ購入し、売り手はもう一つ売ることになります。 つまり、超過供給が生じているときには価格が下落するのです。(価格下落の圧力が働く。)したがって、超過供給が生じているとき、価格は下落して均衡点に向かいます。

このようにして、価格が均衡価格でなく、需要と供給が一致していないときには、均衡価格に向かう圧力がかかり、時間がたてば需要と供給が一致するのです。つまり、市場は時間を通して需要と供給を一致させるメカニズム、言い換えれば均衡に向かうメカニズムを持っているのです。このメカニズムを「市場の価格調整メカニズム」といいます。


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