ミクロ経済学とは

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3.ミクロ経済登場人物編の用語説明

次に用語の説明をしましょう。さきほどの例でイメージはつかめてきていると思います。まず、「生産物市場」です。これは取引(売買)をする場です。「生産物」+「市場」で生産物(財・サービス)を取引する場です。生産物市場の具体な例はスーパーとか美容室とかになりますが、経済学者が「市場」と使うときにはもっと抽象的に用いています。だから、市場というものは、特定の場所というよりも取引(売買)するシステムと捉えたほうがいいでしょう。 例えば、「市場が拡大している」といっても売買している場所やウェブサイトが増えていることよりも、取引が活発になっているという意味合いが強いです。「中古車市場が拡大している」と使えば、中古車販売店が増えているというよりも中古車の取引が活発になっているというほうが適切です。

次に「生産要素市場」についてですね。これは「生産要素」+「市場」ですから、「生産要素」を取引する場です。生産要素とは、生産物を作り出すために必要となるものです。 こう表現すると「原材料」が全て生産要素であると感じて、原材料であるならば企業が家計から購入するというよりも、企業が企業から購入するのではないかと考える人もいるかもしれません。 ですが、ここでの生産要素市場はそのようなことを示していはいません。例えばカレー販売店があったとします。カレーを作るにはコックが一人(労働力)とガスコンロやなべなどの調理器具と調理設備(資本)と料理する場所(土地)に加えてじゃがいもやにんじん、肉、玉ねぎ、カレーのルー(原材料)が必要になります。 しかし、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、カレーのルーはどのように作られてるでしょうか。じゃがいも、にんじん、玉ねぎは農家(労働力)の人が農具(資本)を使って、畑(土地)から生みだします。カレーのルーやお肉も元をたどれば労働力と資本と土地にたどり着きます。つまり、どんな原材料ももとをたどれば「家計」の所有する「労働」「資本」「土地」にたどり着くのです。 だから、「カレー」も最終的には「労働力」と「資本」と「土地」を生産要素としてできているのです。このような理由から生産要素は労働、資本、土地になっているのです。(もちろん、最終的に家計が所有する生産要素は労働、資本、土地以外にもあるでしょうけども、1ページで言ったように理解しやすくするために単純化しているのです。)

最後に「資本」の具体像がわからないかもしれません。なんで資本の見返りが利子なんだろうとか、僕は疑問に思いましたね。まず、資本の具体例は会社にあるコンピュータとか、建物そのものとかです。2ページで紹介した最後の例にケーキ屋さんの例がありましたが、ビルの1階を借りているので、賃貸料を家主に払うことになります。その賃貸料にはビルの1階という資本に対する支払いとビルの1階という土地に対する支払いが含まれています。 この意味では資本の見返りは「レンタル料」というのが正しいでしょう。しかし、別の章で詳しく説明しますが「完全競争市場」(次の章で説明します)ではレンタル料と利子が同じ値になるのです。ここでは簡単に説明しましょう。例えば今、あなたがビルの1階を1年間使用するときに借りるか購入するか悩んでいるとします。購入すれば100万円で、1年後にまた100万円で売れるとします。しかし、今手持ちのお金は10万円だけです。レンタル料は10万円でした。 また、銀行の年率の貸出利子率が9%だとして、銀行から100万円借りた場合、来年109万円返せばいいということでした。。このような状況だったら、あなたはビルの1階を購入するでしょうか?借りるでしょうか?私なら購入します。なぜなら、銀行から100万円借りて購入し、来年ビルを100万円で売却して、109万円返すことで手持ちに1万円残ります。つまり、ビルの1階を9万円でレンタルしたのと変わりません。10万円でレンタルする場合は手持ちは残りませんから、私は購入します。 よって、このような状況だと10万円のレンタル料では誰も借りなくなりますから、レンタル料は9万円まで下がるしかないのです。このような理由から、利子とレンタル料が一致するのです。そして利子は銀行に行きますが、銀行は家計からお金を借りているため家計に利子を払います。したがって家計は資本の見返りとして利子を受け取るのです。(ちなみに貨幣も資本です。また、基本的に企業は土地を購入するよりも借ります。なぜなら土地は動かせないため、リスクとコストが高いからです。)


4.トレード・オフ

この章をしめくくるにあたって、経済学のひとつの法則を表す言葉を紹介します。それは"There is no free lunch."です。直訳すると「ただ飯はない」です。これは何をするにも費用がかかるということを意味しています。経済学での「トレード・オフ」という概念に通じます。トレード・オフはどちらかを取るとどちらかを取れないということを示しています。よく使う使い方は「インフレと失業はトレード・オフである(トレード・オフの関係にある)」などです。 他にもいろいろあります。新しい薬が市場に出回るときに、危険がないかチェックする期間があります。その期間が長いほど危険な新薬が出回る可能性が下がります。それでは、期間をとっても長くすれば良いのでしょうか?いいえ違います。なぜならば、期間を長くすることによって、新薬しか効かない病気を持っている人々が新薬が市場に出回ることを待っているからです。むやみに審査の期間を長くすれば待っている人々は亡くなってしまうでしょう。しかし、期間を短くすれば危険な薬が出回り、そのせいで亡くなる人もでてくるでしょう。 この時、期間を長くすることで「危険な薬が出回らず助かる人」とトレードオフの関係にあるものは「期間を長くすることで新薬が間に合わず亡くなってしまう人」なのです。ではこの時、期間をどの程度にするのが一番良いのでしょうか。経済学はこのような問題に一つの答えを与えるものなのです。それでは、皆さん一緒に経済学を学んでいきましょう!


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