ミクロ経済学とは

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1.ミクロ経済学とは

近代経済学の代表的存在、アルフレッド・マーシャルは言いました。社会的苦悩を克服するために自らの最善の能力をすすんで捧げようとする、冷静な頭脳を持ちながら、しかし温かい心情を持つ人々の数を、一人でも多くすることが私の念願であると。私もまた経済学とは人々を幸福するためにあると考えています。では、経済学が持つべき責任とはどこにあるのでしょうか。


経済学とは一言で言えば稀少性を扱う学問です。私たちの生活を支える資源が無限にあり、それら資源が何の費用もかからず誰でも手に入れることができるのであれば経済学が生まれることはなかったでしょう。 現在の私たちの生活を考えてみれば交換、売買なしには成り立ちませんし、何を行うにしても自分の時間を使います。私たちは会社に私たちの労働力を提供し、その見返りに賃金を得ます。その賃金を使用して生活日常品を買って生活をします。 このように私たちの生活には稀少性に満ち溢れています。つまり、経済学が人々の生活の隅々にいきわたっている希少性を扱うのであれば、経済学が持つべき責任は人々の生活であると私は考えるのであります。


更にミクロ経済学は家計、企業など経済主体の個体を分析対象にします。例えば、家計が20万円の所得をもとにどのように支出をを決定しているのかということや、その時に消費税が上がったらどのように行動を変化させるのかなどです。尚、それとは反対にマクロ経済学は一国全体を分析の対象にします。


しかし、注意して欲しいのは経済学とはあくまで分析ツールであるということです。経済学で全てが説明できるというわけではありません。何が分析可能で何が分析不可能なのか、それを判断するのは人間です。経済学を良く使うも悪く使うのもまた人間です。 良し悪しの議論は別として多くの経済学は科学的に体系付けられており、価値観が入り込まないようになっています。だからこそ、経済学を学ぶあなたが経済学に扱われるのではなくて、あなたが経済学を扱うことを、つまり冷静な頭脳を持ちながら、しかし温かな心を持つことを願います。


2.ミクロ経済学の登場人物

さて、ミクロ経済学を学ぶにあたって、先に簡単な登場人物を紹介しましょう。主な登場人物は3人です。えっ少ない!と思うかもしれません。そうです。これは経済が複雑だから、まず骨組みだけを見て、理解を深めようとするためです。この骨組みをモデルといい、このように単純化することをモデル化するといいます。さて、登場人物を詳しく紹介すると、一人目に「家計」、二人目に「企業」、そして最後に「政府」です。家計は企業から生産物市場を介して財・サービスを購入し、代金を支払います。またその購入に必要な金額を企業に生産要素市場を介して労働力、土地、資本を提供し、賃金、地代、利子を受け取ることで用意します。 生産物市場や生産要素市場についてはこれから学んでいくことなのでまだよくわからなくて大丈夫です。次に企業です。企業は生産物市場を介して家計に財・サービスを売却し、代金を得ます。またそれら財・サービスを生産するために必要な資源(労働、土地、資本など)を生産要素市場を介して賃金、地代、利子などを支払うことで調達します。最後に政府についてです。政府は家計と企業から税金を徴収し、家計と企業に公共サービスを提供します。 また、公共サービスを行うために必要な資源を生産要素市場を介して家計から調達するかわりに賃金、地代、利子を支払います。更に、企業に対して生産物市場を介して財・サービスを発注し、代金を支払います。今までの話をまとめると下の図のようになります。



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