需要曲線とエンゲル曲線

presented by P-suke

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4.所得消費曲線

ここでは所得消費曲線を学びます。さきほどは価格を変化させていましたが、ここでは所得を変化させます。これも図で見てましょう。右の図は上が最適消費をx1-x2平面で表した図、下が所得の変化量を明示的に表現したx1-m平面です。どちらも所得が変化したときの最適消費の変化を表していますが、視点が少し違うということです。さて、所得を増加させてみましょう。所得の増加は予算制約線の平行移動でした。(右の図をクリックしてください。)そうすると右の図のように最適点も変化します。これは所得の増加に伴ってどちらの消費量も増加するケースですね。(つまり両財ともに正常財です。)さて、さらに所得を増加させます。そうすると最適点もまた変わります。(右の図をクリックしてください。)これを繰り返します。(右の図をクリックしてください。)ちょっと見づらいので無差別曲線を消しましょう。(右の図をクリックしてください。)そして、この最適点を結んでみましょう。(右の図をクリックしてください。)そうすると、x1-x2平面には所得消費曲線が、x1-m平面にはエンゲル曲線が書き表せます。

所得消費曲線は所得に伴う最適消費量の軌跡をx1-x2平面に書き表したもので、エンゲル曲線は所得に対する最適なx1の消費量をx1-m平面に書き表したものなわけです。(※ぴーすけ講座ではエンゲル曲線を書くとき、需要曲線のときにあわせて、横軸をx1、縦軸を所得としましたが、そもそも、所得の変化に対する消費量の変化をみるので、横軸をm、縦軸をx1とする場合もあります。)ちなみに、この例では所得の増加にともなって、x1の消費量の増加分が減少し、x2の消費量の増加分が増加しています。つまり、所得の増加に伴ってx1財への支出割合が減っているわけですね。これはつまり、x1財が必需品、x2財がぜいたく品となっていることを表しています。ちなみに、エンゲルさんは、所得が1%増加するときに食費は1%未満しか増加しない(所得に占める食費の割合は所得の増加に伴って減っていく)ということを現実のデータより導きだしました。これをエンゲルの法則といいます。

さて、さきほどポロっといいましたが、所得の増加に伴って消費量が増加するならば、その財は正常財(上級財)になります。それを数学的に書くならば、2財モデルにおいて第一財と第二財の需要関数はそれぞれ





と書き表しましたから、第一財、第二財が正常財であるとうことはそれぞれ





とあらわせますし、また、第一財、第二財が劣等財(下級財)であるということはそれぞれ





と書き表せます。つまり、財が正常財ならば、エンゲル曲線は右上がりですし、劣等財なら右下がりになるということですね。ちなみに中立財ならば偏微分の値は0で、エンゲル曲線は垂直になります。(x1財が中立財の場合、所得消費曲線は垂直に、x2財が中立財の場合、所得消費曲線は水平になります。つまり、中立財である財の消費量をはかっている軸に直交します。)

さて、それではx1財が劣等財、x2財が正常財である場合の所得消費曲線とエンゲル曲線を図であらわしてましょう。右の図のようにいま最適点があります。上の図と下の図はさきほどの説明と同じです。所得が増加した場合の最適点の変化をみていきましょう。(右の図を5回クリックしてください。

右下がりの所得消費曲線と右下がりのエンゲル曲線が現れましたね。このように、さきほどの所得消費曲線、エンゲル曲線とだいぶ形が違うものが現れますが、無差別曲線は典型的な性質を満たしたままでしたね。ここで、少し注意したいのが2財モデルではx1財とx2財が同時に劣等財のなるということはないということですね。図でも絶対書き表せれません。劣等財は代替材が存在するために現れるのです。すべての財が劣等財になるということはないのです。

それでは、この章はこれくらいで終わりにしまして、次の章で代替効果と所得効果を学び、需要曲線について深く学びましょう。


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