需要曲線とエンゲル曲線

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3.価格消費曲線

さて、まず価格消費曲線を学びましょう。価格消費曲線とは価格の変化に伴う最適消費点の組み合わせの軌跡です。と表現すると小難しく感じますが、そんなに難しい概念ではありません。右の図をみてください。今右の図ではある価格と所得のもとでの最適点があらわされています。このとき、所得と第二財の価格はそのままで、第一財の価格を変化(例えば下落)させます。そうすると最適点も変化します。(右の図をクリックしてください。)また第一財の価格を下落させましょう。そうするとまた最適点が変化します。(右の図をクリックしてください。)これを繰り返します。(右の図を2回クリックしてください。)最後にこの最適点を結んでみましょう。(右の図をクリックしてください。)そうすると価格消費曲線が出来上がります。もちろん、所得と第一財の価格を固定して、第二財の価格を変化させたときの軌跡も価格消費曲線です。

となると、価格を変化させたときの最適な消費量の変化をx1-x2平面(横軸がx1、縦軸がx2である平面)でみたものを価格消費曲線といい、x1-p1平面でみたものを需要曲線と呼び、視点が違うだけで見ている現象は同じなわけです。

さて、この価格消費曲線を用いて少し分析してみましょう。

右の図(上)の緑色に囲まれた部分を見てみると、第一財の価格の上昇によって第二財の消費量が増加しています。これは、ぴーすけ講座ミクロ経済学初級編で説明した、第一財は第二財の粗代替財だということになりますね。一方で右の図(下)の図の緑で囲まれた部分をみると、第一財の価格の上昇に伴って第二財の需要量が減少しているのがわかります。つまり、これは第一財が第二財の粗補完財であるということですね。このように、無差別曲線の形状によってさまざまな価格消費曲線が描かれ、その価格消費曲線の形状によって財の分類が判別できるということができるのです。その意味で、価格消費曲線はたくさんの情報を持っているといえます。

さて、最後に、ギッフェン財のケースの価格消費曲線を載せておきます。ギッフェン財とは右上がりの需要曲線をもつ財なのですが、厳密な定義は劣等財(下級財)において(自己)所得効果が(自己)代替効果を上回る財となっています。このことについては所得効果と代替効果を説明した際に説明しますので、今は価格の下落(上昇)に伴い、需要量が減少(増加)する財と考えておいてください。右下の図を4回ほどクリックしてください。これは確かに第一財の価格の下落に伴って、第一財の需要量が減少しているのがわかりますね。


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