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1.CES関数とは
CES(constant elasticity of substitution)関数とは名前の通り代替の弾力性が一定の関数です。(※弾力性が一定であることは後に証明します。)この関数は効用関数にも生産関数にも応用されています。まず2変数でのCES関数の定義を紹介します。,,をパラメーターとして
ただし
と表せます。なぜ、CES関数が良く使われているかというと、効用関数や生産関数でよく使われている、完全代替財で用いられる線形の関数、コブ=ダグラス型の関数、完全補完財で用いられるレオンチェフ型の関数の3つがCES関数の特殊形として表すことができるからです。また、CES関数が1次同次であることは容易に求められます。(※この証明を後に行います。)
となります。尚、証明は「である調」で書きます。
証明
(1)
証了
(2)
初めにという制約を設けておく。(後に理由を説明します。) 両辺に対数をとると
である。このときとすると
となり、において不定形である。また、分子、分母のそれぞれの関数が連続微分可能であるのでロピタル・ルールが適用できる。したがって
自然対数を両辺にとることは単調変換であるため、
である。これはコブ=ダグラス型関数である。尚、CES関数が1次同次であるため、ここで求められた関数もまた一次同次でなければならない。つまり、 という制約は整合的であったのである。
証了