変化率

presented by P-suke

トップページ > 経済数学目次 > 変化率


1.変化率

ようこそ。経済数学へ。変化率は経済学で「弾力性」を扱う上で必要な知識となります。さて、変化率というのは日常によくあふれているものです。例えば、スーパーのタイムバーゲンで豚肉が30%OFFなんていうのも変化率です。 小学生や中学生の頃、食塩水の%の計算で苦しんだ記憶がある人もいるのではないでしょうか。ここでは、その変化率という概念を簡単に説明したいと思います。

初めに変化率の考え方になれましょう。変化率の単位には%(パーセント)を使います。この記号の意味は1/100(百分の一)という意味です。%の左上と右下の○は二つ合わせて100を意味します。100の意味と%の真ん中の/とを合わせて1/100です。1は記号にするうえで省略されました。%が百分率といわれるのもこのためです。 つまり5%は5×1/100、つまり5/100という意味です。ではこの考え方にのっとって300円の5%を考えてみましょう。まず、300円の1/100を計算します。3ですね。つまり3円が300円の1%です。今求めたいのは5%なので、これを5倍します。3×5=15円。したがって、300円の5%は15円です。

例をいくつか出しておきましょう。

200円の4%→2円(200円の1%)×4=8円

500円の9%→5円×9=45円

1200円の3%→12円×3=36円

150円の6%→1.5円×6=9円

400円の2.5%→4円×2.5=10円

360円の2.5%→3.6円×2.5=9円

今までは、変化率を与えられて、その計算をしていました。じゃあ、変化率はどのようにもとめればいいのでしょうか。例えば300円が360円になりました。何%上昇したでしょうか。答えは20%です。 さきほどの考え方に戻って、順を追って考えましょう。300円の1%はいくらだったでしょう?300円の1%は3円ですね。では、300円から360円には何円上昇しましたか?360円‐300円=60円だから60円ですね。 じゃあ、60円は何%だったのでしょう?1%は3円だから60円÷3円=20。つまり60円は1%の20個分ですね。言い換えれば60円は300円の20%ですね。したがって、「300円が60円上昇した」ということは「300円が20%上昇した」ということと同じです。 だから、300円は360円に上昇したとき、20%上昇しているのです。

例をいくつか出しておきましょう。

200円が220円に上昇した→20円(220円‐200円)÷2円(200円の1%)=10%(の上昇)

500円が600円に上昇した→100円÷5円=20%(の上昇)

500円が450円に下落した→50円(500円−450円)÷5円=10%(の下落)

1200円が960円に下落した→240円÷12円=20%(の下落)

400円が418円に上昇した→18円÷4円=4.5%(の上昇)

360円が306円に下落した→54円÷3.6円=15%(の下落)

最後にこの計算を式で表して終わりにしましょう。 先に式を書いて、次に説明をします。


変化率(数値)

価格で表すとこうなります。


変化率(価格)

さきほどの例、300円が360円に上昇した例を使って式の説明をします。もともとの価格は300円です。だからp=300です。価格の差分は360円‐300円で60円です。つまりΔp=60です。Δはデルタと読み、差分を表します。なお、Δはギリシャ文字でアルファベットのdにあたります。 さっきの説明で、変化率は価格の差分(60円)を1%あたりの価格(300÷100)で割って求めました。つまり、


変化率(例)

a÷b=a/bですから、


変化率(例2)

となって、先ほど書いた式が得られるのです。


目次に戻る    次の項目へ