論理

presented by P-suke

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1.イントロダクション

ここでは論理式の基礎について学びたいと思います。はじめに真理値や真理表、そして∀や∃などの論理記号について学んでいきます。経済学の中級レベルになると厳密な数学を使わずに議論するということが不可能なんです。アメリカなどでしっかりと経済学を学んだといえば、洗練された論理力を持っていると判断されることもあるくらいですから。そこで、ここでは経済学の数学を用いた厳密な議論(解析)を学ぶ基礎となる論理式について学んでいきたいと思います。

2.真理表

まず真理表真理値について学びましょう。真理値とは真と偽のことです。つまり正しいと間違っているということです。ここでは、それぞれの主張に真と偽という真理値を与えていくことをします。しかし、現実を考えるとそれぞれの主張が必ず真、必ず偽といえるものばかりではありませんね。時と場合によって真と偽が変化するものもありますし、人によって真とするか偽とするかが変わり、真と偽で意見が分かれることもあるでしょう。そこで、命題というものを考えます。命題とは、時や場所などに左右されない「必ず真偽のどちらかの真理値を与える事ができる主張」のことをいいます。たとえば「5は3よりも大きい」という主張は命題です。そしてこの命題の真理値は真ですね。「全てのカラスは黒い」という主張も命題です。全てのカラスの色を調べて黒であればこの命題は「真」であるといえるし、1匹でも黒ではないカラス、例えば白いカラスを見つけることができれば、この命題は「偽」といえます。つまり、調査によって必ず真偽のどちらか片方をつけることができますね。ところで「バナナはおいしい」という主張は命題ではありません。この主張に真偽をつけることは無理ですね。このような主張は命題とはいえないのです。しかし、「某小学校の全校生徒の半分以上がバナナはおいしいと答える」という主張は命題です。全校生徒にアンケート調査をして半分以上がおいしいと答えた場合真ですし、おいしいと答えた人が半分未満であれば偽となるのです。

さて、そこでこの命題の真偽について真理表を用いて論理について理解を深めましょう。まず否定の論理を用いて真理表がどのようなものか確かめましょう。否定をあらわす記号は¬です。読み方は「not(ノット)」です。例えば「5は3よりも大きい」という命題をPとしましょう。そうすると命題Pは「真」になります。この命題の否定は「5は3よりも大きくない」です。この命題を¬Pであらわします。そして命題¬Pは偽になります。このように否定の論理記号¬を用います。この例でわかるように命題Pが真であれば命題¬Pは偽です。また命題Pが偽であれば、命題¬Pは真になります。これを真理表を用いて表してみましょう。

真をT(Truth)であらわし、偽をF(False)であらわすと、

P¬P

となります。Pが真の時¬Pが偽、Pが偽の時¬Pが真であること、つまり、命題Pと命題¬Pの関係を表で表したということですね。

次にの論理記号を真理表を用いて説明しましょう。∨は「または」と読み、∧を「かつ」と読みます。それらを真理表であらわしてみましょう。もちろん∨と∧を用いるには命題は二つ必要です。そこで命題Pと命題Qを用意します。

PQP∨QP∧Q

これが∨と∧の真理表です。左の二列はPとQの組み合わせをあらわしていますね。つまり、どちらも真の場合、片方が偽の場合、どちらも偽の場合です。そして右の二列がそれらの組み合わせに対してP∨QとP∧Qが真なのか偽なのかを表しています。∨はPとQのどちらかが真であればP∨Qは真です。∧はPとQがどちらも真の場合のみ真です。このことをこの真理表は表しています。

次のページでは⇒を学びましょう。⇒は「ならば」と読みます。


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